400年以上も昔、日本で初めて九州の長崎県へ伝わったお菓子「カステラ」。食感やネーミングから洋菓子と思われやすいのですが実は和菓子の分類に入ります。
しっとりとした生地とお砂糖のシャリシャリとしたザラメは、優しい甘さで小さなお子様からお年寄りの方まで誰もが食べやすいお菓子ですよね。
敬老の日には町内会から贈答品として配られる地域もあるカステラ。素朴だけど品のある味わいがお年寄りにも好評です。
カステラとはどんなお菓子?
主な特徴
カステラは卵を泡立てて小麦粉・砂糖・水あめを混ぜ合わせ、オーブンで焼いたお菓子のことです。水あめの代わりにハチミツを入れる方法もあります。
見た目がスポンジケーキに似ているため洋菓子に近いお菓子ですが、カステラにはバターなどの油脂類が入っていません。
スポンジケーキはしっとりとした生地に仕上げるためバターなどの油脂類を使います。しかし、カステラの場合は砂糖と「水あめ」によってしっとりとした生地に仕上がるのです。
現代では抹茶・チョコレート・黒糖などを混ぜ合わせた新しい種類のカステラも販売されています。
カステラのカロリー
カステラのカロリーは100gあたり約320kcalです。
スポンジケーキのカロリーは100gあたり約300kcal。
カステラとスポンジケーキを比べると少しだけカステラの方がカロリー高めですね。でもカステラはそのまま食べますが、スポンジケーキは生クリームやフルーツをトッピングするので、トータルで考えるとカステラの方がカロリーが低くなるかもしれません。
カステラの歴史
カステラはいつどこで誕生したのでしょうか?歴史を振り返ってみましょう。
カステラの誕生
カステラの歴史はとても長く、誕生したのは紀元前3世紀頃になります。
カステラはスペインにあるイベリア半島で1035年から1715年まで栄えた王国「カスティーリャ王国」で生まれたお菓子です。
カステラをつくるとき、卵の白身を泡立てる過程でメレンゲがしっかりとできるように「お城のように高くなれ」と声をかけながら作っていたとか。
当時のカステラは小麦粉・卵・砂糖で作るとてもシンプルなお菓子でした。乳製品を使わない方法は、ヨーロッパのお菓子ではめずらしいことですが、その方法だったからこそ乳製品を常用していなかった当時の日本でも長い間作り続けられたのでしょう。
名前の由来
ポルトガルでは「カステラ」と呼ばれていたカスティーリャ王国。南蛮船で渡来したポルトガル人により初めて日本にカステラが伝わったとき、「ボロ・デ・カステラ」と言ったことがきっかけで「カステラ」の名前になったといわれています。
「ボロ・デ・カステラ」とは「これはカスティーリャ王国のお菓子だ」という意味です。
スペイン語ではお城という意味を持つ「カスティーリョ」が結果的にカステラの名前の由来に繋がっています。
カステラが日本に伝わった当初は、カステラに「家主貞良」や「加須底羅」などの漢字が使われていました。当時は「カステラ」ではなく、「かすていら」と呼ばれていたそうです。
日本とカステラの関係
1571年の戦国時代。
日本では唯一の外国貿易港として開港されていた長崎県に初めてポルトガル船が入港しました。そのポルトガル人によってキリスト教や鉄砲と共にカステラが日本に初めて伝わることとなります。日本で初めてカステラを食べたのは「織田信長」という説もあります。
江戸時代に入ると日本でもカステラが作られるようになります。カステラは当時の高級品である卵や白砂糖を材料とするため、当時は接待などで使用される最高級のお菓子でした。
カステラは栄養価の高いお菓子であるため、結核患者の栄養剤として使用されることもあったそうです。
台湾カステラ
2020年頃から話題の台湾カステラ。本場・台湾ではシフォンケーキとされているスイーツです。「現烤蛋糕(シエンカオダンガオ)」=「焼きたてのケーキ」と呼ばれているそうで、独特の食感とボリューム感が特徴です。日本のカステラとは違って、ふわふわ・ぷるぷる・しゅわしゅわとした食感で、その秘密はたっぷりの「メレンゲ」と「蒸し焼き製法」にあります。
素朴な見た目がカステラに似ていますが、生クリームをはさんだり、チョコや抹茶味などのバリエーションもあります。
まとめ
カステラの歴史を振り返ってきましたがいかがでしたか?
日本でカステラといったら「長崎カステラ」が有名。長崎カステラと検索するだけでたくさんの商品がでてきます。そして、「カステラ一番。電話は二番。三時のおやつは文明堂」の文明堂も老舗ですね。
日持ちのするカステラは贈答用としても大変喜ばれます。この機会にぜひおいしいカステラを召し上がってみてはいかがでしょうか?