チーズケーキ

ベイクドチーズケーキ コラム

ショートケーキやチョコレートケーキと共に必ずと言っていいほど洋菓子店のショーケースに並んでいる、定番中の定番である「チーズケーキ」。

チーズケーキとは、その名の通り「チーズを主材料にして作ったケーキ」の総称ですが、その作り方によって見た目も味わいも実に様々ですよね。

そこで今回はケーキの定番「チーズケーキ」に詳しく迫ってみたいと思います。

チーズケーキの歴史

チーズケーキとコーヒー

チーズケーキはいつ頃から食べられていたかご存知ですか?

チーズケーキの歴史はとても古く、古代ギリシャ時代の「トリヨン」という食べ物にまでさかのぼります。「トリヨン」はチーズにラード・ミルク・卵・小麦の胚芽粉などを混ぜて葉に包み、茹でてハチミツをかけたもので、見た目はプリンのようなものだったと言われています。

私達が思い浮かべるいわゆる「チーズケーキ」とは見た目も味もずいぶんと違っていたようです。

その後、長い年月をかけてチーズが世界中に広まると共に、チーズを使ったお菓子も各地で様々に形を変えて作られるようになっていきました。

現在のような見た目と味に近いチーズケーキは、5~10世紀頃のポーランドで「チーズケーキセルニック」という名前で既に広く食べられていたそうです。

後にポーランドからの移民がアメリカに渡ったことで、現在私たちが食べているようなベイクドチーズケーキが作られて広まっていきました。

チーズケーキは日本ではどう広まった?

バスクチーズケーキ

日本では遥か昔、なんと奈良時代からチーズに相当するものが作られていました。

この日本最古のチーズは「蘇」(「そ」と読みます)と呼ばれ、牛乳をただ煮詰めて作るだけのものですが、高級食材として扱われていたそうです。

この「蘇」をさらに発酵させたものを「醍醐」(「たいご」)といい、諸説ありますがバターやチーズのようなものとして楽しまれていたようです。

しかしその後、チーズは市民権を得ることなく日本人の食生活から長らく遠ざかってしまいました。時が経ち江戸時代に入ると、オランダからチーズを輸入し始めるなどして少しずつ国内に浸透してきたものの、本格的にチーズが日本人の食生活の中に入り込んできたのは文明開化後の明治~大正時代かけてのことだったようです。

そして、チーズが浸透し始めてきたこの明治時代に、お米とチーズを混ぜて作る「ライスチースケーキ」というものが生まれました。(※ 当時チーズは「チース」と表記されていました)これが日本でのチーズケーキの始まりだと言われています。

現在のスタイルのチーズケーキが本格的に浸透したのは第二次世界大戦後のことです。既にアメリカで広まっていた「ベイクドチーズケーキ」が、アメリカの進駐軍により伝わったことがきっかけだとされています。

戦後の経済成長と共に冷蔵庫が家庭にも普及するようになると、日持ちのしづらい洋菓子も広く食べられるようになっていきました。

そこで、アメリカから伝わったベイクドチーズケーキがさらに日本人好みにアレンジされてさっぱりした「レアチーズケーキ」や、ふわふわの「スフレチーズケーキ」などが誕生するとチーズケーキの人気や知名度も一気に上がっていきました。

レアチーズケーキ、スフレチーズケーキ、ベイクドチーズケーキ、マスカルポーネチーズのティラミスなど色々なチーズケーキが女性雑誌や各種メディアでも積極的に取り上げられようにもなり、今やチーズケーキはすっかりスイーツの定番ともいえる存在になりました。

歴史を振り返ってみると、日本で広く楽しまれているスイーツの多くはヨーロッパから伝わったものが多いですが、チーズケーキは他の洋菓子とは少し異なる独自の発展を遂げてきたということができるのではないでしょうか。

代表的なチーズケーキの種類

レアチーズケーキ

クリームチーズ・砂糖・卵・生クリーム(種類によっては薄力粉やレモン汁なども)といった、ごくシンプルな材料で作ることができるのが魅力のチーズケーキ。

しかし、ご存知のように「チーズケーキ」といってもその味わいは多様です。

ベイクドチーズケーキ

「チーズケーキ」といえばコレ、というほど最もポピュラーなもの。

「ベイクド」という名前の通りしっかり焼かれているので保存ができるだけでなく、食べごたえも十分。焼きたてはフワフワとしていますが、少し時間をおくと、よりしっとりしてまた別のコクのある味わいを楽しむことができます。

スポンジ生地を上手く膨らませなくてはいけないショートケーキなどに比べて、作り方も簡単です。クリームチーズやマスカルポーネなどのチーズに卵・砂糖・粉類を混ぜ合わせて型に流し込み、焼き色がしっかりつくまで焼き上げます。

よく目にする「ニューヨークチーズケーキ」も、このベイクドチーズケーキの種類のひとつですが、生地の入った型をお湯を張ったバットや天板等にのせて蒸し焼きにする「湯煎焼き」という方法で作るという特徴があります。

あの、料理の鉄人坂井シェフが監修したチーズケーキとレーズンサンドのセット
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レアチーズケーキ

オーブンを使って焼き上げるのではなく、生地を冷やして固め作るチーズケーキ。

卵を使わないレシピも多く、ベイクドチーズケーキに比べるとさっぱりとした食感を楽しめます。「チーズ感」も存分に感じられるので、チーズ好きにはたまらないでしょう。

クッキーやビスケットなどを細かく砕いた上に、クリームチーズと生クリームなどを混ぜた生地をのせ、冷やし固めて作ります。クリームチーズのかわりに豆腐を使ったり、生地を固めるためのゼラチンを寒天に変えたりするなどのアレンジを加えることもでき、ダイエット中でも罪悪感なく食べやすいケーキのひとつとも言えます。

滑らかな舌触りがお口にしあわせを運ぶレアチーズケーキ

スフレチーズケーキ

「スフレ」はフランス語で「膨らんだ」という意味がある通り、フワフワとして口溶けが軽いことが特徴のチーズケーキ。さっぱりとした味わいだけでなく、材料も生クリームでなく牛乳を使用することもありベイクドチーズケーキに比べるとカロリーを低く抑えることができます。

卵白を泡立てて作ったメレンゲを生地に混ぜ、湯煎で蒸し焼きにするという作り方のため、他のチーズケーキに比べるとやや難易度が高いと言われています。

バスクチーズケーキ

ここ数年で日本国内でも目にする機会が多くなったチーズケーキ。

表面が真っ黒でインパクトがあるため、初めて見た時に驚いた方もいるかもしれません。スペインのバスク地方で愛されるチーズケーキで、食事のシメにワインなどと共に食す楽しみ方もされています。

ベイクドチーズケーキと同様の材料で作ることができますが、使う小麦粉の量が少なめで、わざと焦がして焼くことで香ばしい風味を作り出すことができます。 表面の砂糖の焦げた香ばしさと、中心部のとろりとした濃厚な口当たりの両方が楽しめるところが人気の秘訣だと言えるでしょう。

真っ黒に焦がしたほろ苦さとクリーミーな味わいがくせになるバスクチーズケーキ

まとめ

ベイクド・レア・スフレ・バスクなど、作り方によって味わいが色々楽しめる点も、チーズケーキファンを魅了してやまない理由のひとつです。

さらに、切り分けて食べる従来のスタイルに留まらず、「スティックタイプ」や「カップ入りタイプ」や、チョコや抹茶などのフレーバーチーズケーキ等々、ますますバリエーションも広がっています。

あなたもぜひ、一番好きなチーズケーキを追求してみてくださいね。

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